押しボタンの作り方 その1(ステレオミニコネクタの作成まで)

SSJ-002号機 標準押しボタンの作り方

数回に分けて、押しボタンの作り方の詳細を記載します。これから記述するものは、私が作る作り方で、初心者向けに平易にしたものではありません。ふわふわオムライスを店の人が作るやり方と家庭の主婦でも作れるやり方でレシピが違うみたいなものです。
なので、色々と大変そうな箇所や道具があると思いますが、適宜、判断してください。ちなみに販売価格は 1台 2000円です。
「材料」

押しボタンスイッチ OMRON製 VAQ-4B-K 
※ 同形状でOMRON製 A2Aというのもあります。安価ですが押した感覚が良くないので、VAQシリーズを使います。

表示ランプ OMRON製 M16-TW-5D
※  5Vで点灯するものです。色も選択できますが、電球色を使用します。OMRON製品は、メーカーのオンラインショップなどで購入できます。私は楽天で・・・・ゴニョゴニョ。

ステレオミニジャック 3.5mm ステレオミニジャック
※ マル信無線製 秋月電子で購入します。

配線用コード #AWG20 程度
※ AWG24より細いと断線が怖いので、ちょっと太めを使用します。

ケース SW75B
※ タカチ製 マルツパーツなどで購入できます。

「工具」

テスター、メガネレンチ(M6用ステレオジャックのナット)ピンセット、はんだごて、ニッパー、(よく切れるもの)ペンチ、段付きドリル、下穴ドリル
※ 以上はどれが欠けても私は作れません。工具につきましては、作業内容と共に詳細記述してゆきます

1:コードの処理

まず、配線用のコードの下処理を行います。
ケースの全長を参考に、同じくらいの長さ(よりちょっと長いと楽ですが)に揃えて折りたたみます。

それぞれ切りそろえ、4本づつにします。1ボタンにつき4本のケーブルを使用します。

ケーブルの被膜を剥きます。ケーブル(ワイヤー)ストリッパーという道具を使います。剥く長さは5mm程度。だいたいで構いません。

該当する太さに挟んで引っ張ると、簡単に被膜を向くことができます。

握るだけで複数本が同時に剥ける便利なものもあります。

すべての被膜を剥きます。大変ですが、当然の仕事です。

ニッパーなどで代用してしまうと、銅線を傷つけたり剥いてしまうことがあります。これは断線の元になるので、私は絶対にやりません。押しボタンはタフに使われるので断線は絶対避けたいです。

次に、剥いた箇所の銅線をネジり上げて、上の様にします。これは次の「ハンダ上げ」の作業を効率よくさせるためのものです。指でつまんでねじります。

ぜんぶねじります。

さて、ハンダ上げ作業です。ねじり上げた銅線の部分にハンダを少量流し、固めてゆきます。この際に、4本中の2本を写真の様に束ね(ピンセットを使うと便利です)一緒に固めます。

3秒ほど銅線の先を温めたら、チョっとハンダを流すのがコツです。

テンポよく、全ての箇所をハンダ上げしてください。
※ わざわざハンダ上げをするのは、ハンダ付けが「液体同士を表面張力でくっつける」イメージだからです。
後々、パーツ部分にも先にハンダを乗せておいて、最後に液体同士を流し合わせることで、過度に温度を高めることを避けます。またその方が作業もやりやすいのです。面倒ですが、根気よくすべてやるのが失敗を避けるコツです。

ステレオジャックにハンダ付けしてゆきます。ステレオジャックは小さく、また動きやすいので固定をした方がやりやすいです。私はひっつき虫(ねり消し)などを使います。

万力などで固定すると、部品に傷がつく場合がありますので注意します。

ここまで書けばわかるでしょう(笑)
束ねた2本の線はオレンジの箇所に、他はそれぞれ1本づつハンダ付けします。

他社製品と互換性が無いのは、このステレオジャックの順番と5V(電圧)が製品によって様々だからです。他社製品をつなぐと確実にショートして壊れますので、絶対に接続するのはやめてください。
同様に、この順序を間違えると本体を壊しますので正確に理解してください。

結果的には左下の図のように接続します。RとTがつながると「押し」になり、本体側でSがマイナスとなってランプが点灯するわけです。

理解した上で、すべてのハンダ付けをします。温度を高くすると、この部品は根本のプラスチックが溶けやすいので、350度でなるべく素早く作業します。

ぜんぶやるんです。これを。大変ですので、今回はここまで。

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